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東京地方裁判所 昭和50年(特わ)105号 判決 1975年9月10日

被告人

1 本店所在地

東京都新宿区新宿一丁目一五番一二号

商号

柳生商事株式会社

(右代表者代表取締役中田栄一)

2 本籍

東京都中野区鷺宮三丁目二四番一一号

住所

右同所

職業

会社役員

中田栄一

大正八年一一月一五日生

出席検察官検事

米沢譲治

主文

被告会社柳生商事株式会社を罰金四百万円に

被告人中田栄一を懲役五月に

処する。

ただし、被告人中田栄一に対し、この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、東京都新宿区新宿一丁目一五番一二号に本店を置き、不動産売買等を目的とする資本金一、〇〇〇万円の株式会社であり、被告人中田栄一は、右会社の代表取締役としてその業務全般を総括しているものであるが、前記被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上げの一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四六年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二九、五五四、七三八円あつたにもかかわらず、昭和四七年二月二八日、東京都新宿区三栄町二四番地所在の所轄四谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が九、六二四、五九九円の欠損で、これに対する法人税額が零円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額一〇、五三八、八〇〇円と右申告税額との差額一〇、五三八、八〇〇円を免れ(別紙(一)、(二))、

第二  昭和四七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六八、二二〇、四六一円あつたにもかかわらず、昭和四八年二月二八日、前記四谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四五、一四〇、九三三円で、これに対する法人税が一五、六七一、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により同会社の右事業年度の正規の法人税額二四、一四七、六〇〇円と右申告税額との差額八、四七六、五〇〇円を免れ(別紙(三)、(四))、

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述(全部にわたり)

一  同じく収税官吏に対する質問てん末書一〇通( 〃 )

一  同じく検察官に対する供述調書八通( 〃 )

一  小松一雄の収税官吏に対する質問てん末書(四六年度分の売上高、支払ベート)

一  高橋利明の収税官吏に対する質問てん末書(四七年度分の売上高)

一  加藤昇の収税官吏に対する質問てん末書( 〃 )

一  小林吾市の収税官吏に対する質問てん末書(四六年度分の仕入高、商品棚卸高)

一  山上正夫の検察官に対する昭和五〇年一月二九日付供述調書(四六年度分の仲介手数料及び受取手数料、四七年度分の仕入高)

一  戸塚カオルの検察官に対する供述調書二通(四七年度分の仕入高)

一  山上正夫の収税官吏に対する昭和四九年一月二五日付質問てん末書(四七年度分の仲介手数料)

一  安田誠の収税官吏に対する質問てん末書( 〃 )

一  前園秀則の収税官吏に対する質問てん末書( 〃 )

一  五十嵐信夫の収税官吏に対する質問てん末書(給料)

一  戸塚カオル作成の昭和四九年二月五日付上申書( 〃 )

一  飯邦彦作成の上申書(四六年度分の給料)

一  鈴木五郎の収税官吏に対する質問てん末書(四七年度分の給料)

一  黒田勇の収税官吏に対する質問てん末書( 〃 )

一  岡直義の収税官吏に対する質問てん末書( 〃 )

一  収税官吏中村直紀作成の旅費、交通費調査書(旅費交通費)

一  同じく事業税調査書(公租公課)

一  同じく雑費調査書(雑費)

一  同じく預金利息調査書(受取利息)

一  同じく貸付金利息調査書( 〃 )

一  同じく支払利息調査書(支払利息)

一  玉田郁生作成の「取引内容について」と題する書面(四七年度分の支払手数料)

一  収税官吏中村直紀作成の修繕費調査書(修繕費)

一  同じく交際費の損金不算入額の計算書(交際費損金不算入)

一  押収してある昭和五〇年押第八一七号の押収物のうち、つぎの証拠書類(公表分及び申告額)

1  符一の法人税確定申告書一綴(四六年度分)

2  符二の法人税確定申告書一綴(四七年度分)

3  符三の総勘定元帳 一綴(四六年度分)

4  符四の総勘定元帳 一綴(四七年度分)

(法令の適用)

被告会社につき

法人税法一五九条、一六四条一項、刑法四五条前段、四八条二項。

被告人につき

法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第一の罪の刑に加重)、二五条一項。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 中村勲)

(別紙一) 修正損益計算書

柳生商事株式会社

自 昭和46年1月1日

至 昭和46年12月31日

<省略>

(別紙二) 税額計算書

柳生商事株式会社

自 昭和46年1月1日

至 昭和46年12月31日

<省略>

(別紙三) 修正損益計算書

柳生商事株式会社

自 昭和47年1月1日

至 昭和47年12月31日

<省略>

(別紙四) 税額計算書

柳生商事株式会社

自 昭和47年1月1日

至 昭和47年12月31日

<省略>

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